沈黙と叫び、そして顔を背ける

2/18:受難節第一主日宣教「沈黙と叫び、そして顔を背ける」     

マルコによる福音書15:1~15 眞柄光久牧師   

 応答讃美歌:86番「輝く日を仰ぐとき」

 

・夜が明けるのを、待っていたかのように、祭司長たちは、長老や律法学者たちと共に、イエスを縛ってピラトのもとに連れていきます。当時のローマの裁判は夜明けに始まるのが通例で、一刻も早くイエスを十字架刑にしたかった彼らは、イエスを朝一番にピラトのもとに連れてきたのです。

・イエスに会った総督ピラトは「お前がユダヤ人の王なのか」と問います。

・「ユダヤ人の王」には、ローマへの反逆者の意味が含まれています。

・もし、イエスを「キリスト(メシア)」として祭司たちがピラトに訴えでても、十字架刑で死刑にすることはできません。なんとかして、イエスを死刑にするためには、ローマへの反逆者として、でっちあげなければならないのです。ゆえに、祭司たちは、「キリスト」ではなく、ローマに反逆する「ユダヤ人の王」として、ピラトに訴え出たのです。

・彼らもユダヤ人ですから、本心では、「ユダヤ人の王」として、訴え出たくはなかったでしょう。でも、イエスを死刑にするためには、なりふり構わないのです。

・「ユダヤ人の王か」と、ピラトから問われたイエスは「それはあなたが言っていることです」と、あいまいな答えをします。

・おそらくイエスは、ご自分は王、すなわちキリスト(メシア)ではあるが、ピラトが考えるような「反逆者たちのかしら」ではないとことを示すために、そのようなあいまいな返答をされたのでしょう。

・それ以降、何を言われても、イエスは沈黙を守られます。 

眞柄光久牧師

2/25:受難節第二主日宣教「泣き叫びなさい」     

ヨエル書1:13~20 眞柄光久牧師