3.01 宣教「独り苦しみに向かう」(ルカ18:31-34)概要から
応答賛美 新生 73「善き力にわれ囲まれ」
ルカ福音書の三度目の受難予告は、マルコ福音書の平行記事(マルコ10:32-34)と比較すると「祭司長たちや律法学者たち」による迫害を省略し、「異邦人に引き渡され、侮辱され、乱暴な仕打ちを受け、唾をかけられる。彼らは人の子を、鞭打ってから殺す。そして、人の子は三日目に復活する。」(ルカ18:32-33)と、圧倒的に異邦人の手で殺されることを記します。福音書と共に使徒言行録(世界宣教の道程)を書き記したルカは、イエスがユダヤ人から迫害されたとの主張を遠ざけ、異邦人(全世界の人々)によって十字架へと渡されたことを描こうとしているようです。そして、「十二人」は両者を結ぶ橋渡し役としてのみ登場し、しかも、この神の計画は彼らに隠されたままです(「彼らにはこの言葉の意味が隠されていて、イエスの言われたことが理解できなかった(同18:34)」)。即ち、この段階で、イエスのお苦しみを理解するものは一人もいないのです。独り苦しみに向かわれるイエスの視線は、全世界の罪人の救いという、歴史の完成時にまで突き抜けていたのではないでしょうか。ここに、自らの死を超える信仰の在り方が問われているのです。 牧師 金子 敬
3/8 主日礼拝 宣教「悲しみ泣くイエス」(ルカ19:41-48) 金子 敬 牧師