七つのパンと小さい魚

2/2 宣教「七つのパンと小さい魚」(マタイ15:32-39)概要から

応答賛美 新生 137「うみべの野で」

マタイ14章と15章には二つの「パンの奇跡」物語が登場します。内容が似ているので「同じ出来事に対する二つの伝聞」と受けとめる学者もありますが、内容をよく検討すると14章はユダヤ人群衆の中での出来事、15章では異邦人の地での出来事として記されていることが分かります。そこには「ティルスとシドン」(マタイ15:21)という異邦人の地名がありますし、「イスラエルの神を賛美した」(同15:31)も異邦人を背景としていると受けとめられます。さらに、奇跡後の「残ったパンの屑を集めると、七つの籠いっぱいになった」(同15:37)とある「籠(スピュリス)」は異邦人の用いる「大籠」を意味しますので、弟子たちが携行している「籠(コフィノス)」(同14:20)とは別と理解できます。そのような前提で読んでまいりますと、主は「もう三日もわたしと一緒にいるのに、食べ物がない。空腹のままで解散させたくはない。途中で疲れきってしまうかもしれない」(同15:32)と、遠方からの帰り道を心配されている様子が目に浮かびます。実は、この「パンの奇跡」は、異邦人に開かれた「主の晩餐」のひな型とされるのです。いわゆる「開かれた主の晩餐」に通じると言えましょう。     牧師 金子 敬

2/9 主日礼拝 宣教「パン種に注意しなさい」(マタイ16:5-12) 金子 敬 牧師