12/9宣教「不思議な系図」(マタイ1:1-17)概要から~
応答賛美 新生184「マリアより生まれたもう」
日本社会の「家系」へのこだわりは国家(為政者)が民を支配するために作り出した倫理規範によると言えましょう。それはユダヤ社会においても同じでした。だからこそ、マタイはイエス・キリスト誕生の次第で、ダビデ王の家系にある正統な子孫であるかのごとくに書き綴り、しかしその系図の土壇場で、ヨセフではなくマリアから誕生したと意表を突くどんでん返しを記すのです。男以外は数にもならない差別社会のただ中で、突然、「(ヨセフではなく)このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった」(マタイ1:16)と断言したのです!毎年12月3日~9日は内閣府が定めた「障害者週間」です。確かに見える形での「障がい」もありますが、より大きな「障がい」は各自の心にある「差別意識」です。ヨハネは神の子たちについて「彼らは血統からでなく、肉なる人の意思からでもなく、男の意思からでもなく、神から生まれたのである」(ヨハネ1:13/岩波訳)と記します。血統や血液型、性別などの個性で人間の価値や幸不幸を作り出すことは罪です。ヨセフを最後に見事に断ち切られた系図は、それがいかに愚かしいことであるかを明示しているのです。 金子 敬
12/16 宣教「預言の実現~ヨセフとマリアによって~」 聖書 マタイ1:18-25 金子敬牧師